郊外の「足」

2018年3月13日

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ちょっと前の投稿
http://hamamuraonsen.com/2018/03/07/3103


「夕方以降のタクシーが撤退してしまう…」
という内容に触れた投稿だったのですが…

それに対してコメントがいろいろ来ました

「大げさタイトルただの騒ぎ立て屋さん」
「相変わらず浜村温泉の痛い人ですね」
「選挙に出るのか?落選で供託金没収(笑)」
「どうでもいい田舎なんだよ浜村温泉は!」

そうです
私が「痛いオジサンです」

反響も誤解も多かった投稿でしたが…

とりあえず
今回のタクシー事業者が
撤退したいと申し出された理由としては

採算は悪くないけど
運転手不足だとか体制的な問題があり
タクシー事業者側として
困っているところだったそうで…

 

ちなみに

浜村温泉の夜のタクシーとは
鳥取市と合併前の旧気高郡の
3町の社交場としての役割を支え
その歴史も長く
約10キロ圏内の
夜の足として利用されてきました

 

最近では
浜村温泉街の夜のタクシーが少なくなり
予約もあっという間に埋まってしまい…

飲食店独自の送迎サービスを
無料で始めたところもありますが

相変わらずタクシー代行業者もなく

飲食店同士でタクシーを奪い合い
タクシーが確保できなくて
廃業を決めたお店が現れた…

地元が協議し始めた矢先の出来事だったのです

 

もともと
浜村温泉のある「JR浜村駅」は

全特急列車が停まった時代があり
ハブとしての位置づけで
ここを基点にバス便も多くありましたが
http://hamamuraonsen.com/2017/04/11/314


民間のバス会社の便数が年々減り続け

バスも小型化していき

公共循環バスも利用しづらく

そこで

毛細血管のようにカバーしてきたのが
タクシーで…

特に夜のタクシーは
飲食店の送迎にかかわらず

遅延の発生した特急列車の
あおりを受けた乗客の足をカバーしたり

陣痛の始まった妊婦を病院に連れて行ったり

交通事故で動けなくなった人を助けに行ったり

救急車を呼ぶと騒ぎになるので
その代わりの役目だったり

女性に街灯が無い暗い夜道を歩かせないように

とか…

よく都会の人が
地方の公共工事で税金が使われるのは無駄だ!
と言われる話と一緒で

郊外の夜のタクシーの役割とは
街なかの便利なところに住んでいる方には
簡単に理解できる世界の話ではないのです

 

今回の投稿時
すでに夜のタクシーの
存続の働きかけをしていた方がおり

地元議員さんを筆頭に
調整に動いてくれた民間の方々のおかげで
行政のみなさんも迅速に対応していただき
当面の事業継続が早々に決まりました

なによりもタクシー事業者の
ご厚意に感謝したいと思います

 

それにしても

タクシーは民間事業のような位置づけではなく
すでに立派な公共交通機関であり

そもそも公共交通は
赤字を出せば撤退するものなのか?

行政の支援を受けてでも
存続することに何よりも意義があるのが
公共交通ではないのでしょうか?

それだけに
コレ
https://www.nippon-foundation.or.jp/news/articles/2018/3.html

この「日本財団」のプロジェクトは
賞賛に値するものであります

 

そういえば

Uターンしてきた数年後

こんな文章を提出していたのを思い出します

”浜村温泉に
特急列車が停まらなくなったり
バスが減便されたりというのは
構造的な問題だと思うのですが…

あくまでも事業者や行政の問題ではなくて
住民自身の問題ではないでしょうか?

事業者が撤退するのは採算が合わないからだし
そもそも行政が援助しないのは
住民が求めていないからではないですか?”

 

この後しばらく

地元から干されることになりましたが…

 

 

いずれにしても

行政が
前出のような郊外の実態を意識することなく
移住定住など声高に推進しているとは
「笑止千万」

郊外に暮らす人々の「足」の問題

奥深いので猛勉強していただきたいものです

ということで

ではまた…